携帯ショップの裏側を詳細解説。元ショップ店長が業界の真相を暴露します。

町を行きかう人々モノクロ

携帯業界の「見えない部分」に光をあてる

携帯ショップってどんなところ?

何か機械を使っているけどあれなに?

1円スマホ売ってるけどあれどうなってるの?

携帯ショップって何か謎が多いですよね?外に向けてなかなか伝えることのない「携帯ショップ5大裏側」をご紹介したいと思います。

【このブログを書いている人】
筆者:こらーじょ
通信業界に20年在籍、某携帯専門ショップ店長を10年経験し、スマホに関連した「あんぜん」「あんしん」情報または携帯ショップのリアルな話しなどを発信。

目次

裏①代理店運営という闇

林立する高層ビル群

携帯ショップはほぼ全て看板貸し運営

よく街中にある「〇〇ショップ」を見ると思います。あれはどこの会社もほとんどが〇〇会社の運営ではありません!

詳しくお伝えすると、「通信事業者」と「携帯電話販売代理店」とは役割が違います。

【通信事業者】

代表的な会社:ドコモ・au・ソフトバンク・楽天

通信会社は電波を使って、携帯電話通信網を構築し、利用者がそれを使って通信できるようにサービス提供をしています。

似たような会社でNTT西日本等のように「固定通信網」を提供している会社の一方で携帯電話用通信事業者を「移動体通信事業者」と言います。

更に、この電波網の構築には数兆円規模の設備投資が必要な上に、使用する電波は総務省が管理しています。

設備構築と許認可の難しさから、新規事業者が参入するのはとてもハードルが高いものとなっています。

では、格安SIMってなんでしょうか?安い価格でサービスを提供しているように見えます。

格安SIM各社は「仮想通信事業者(MVNO)」として、大手通信事業者が構築した通信回線を借りて(利用料を払って)自社の料金プランを適用してサービス提供しています。

【携帯電話販売代理店】

代表的な会社:兼松コミュニケーションズ、コネクシオ、ティーガイア、ベルパークなど

実際の店舗運営は「販売代理店」が運営しています。各通信事業者と代理店契約を結んで、通信事業者に代わって各種窓口業務を担当します。

これが複雑な構図を生む要因となっています。通信事業者は自社のサービスを使って、顧客が払う毎月の利用料が主な収益源となっています。

しかし、販売代理店は違います。

販売代理店は店頭で販売した物品・サービスが収益源です。そのために頭金設定や店舗独自サービスが存在します。

この利害が一致しているようでしていないような構図がたくさんの誤解を生みます。

やや極論かもしれませんが、代理店の立場はこうです。

・ショップ店員は別の会社の社員

・毎月の顧客の支払い額はあまり気にしていない

・電波がよいとか悪いとかの責任はない

・よく見るTV広告とかは通信事業者がやっているため、むしろ他人事に近い

・料金プランが高いとか便利とかは自分たちも文句はある。むしろ顧客側。

しかし、これだと安定したサービスが打ち出せませんし、通信事業者から見たら利害関係が一致するように代理店に対して各種ノルマを課します。

代理店毎にサービスが違う?

各通信事業者は基本的に日本国内に画一したサービスを提供しています。

しかし、代理店は大小様々です。全国に展開している代理店はごく僅かな大きな代理店しかありません。

その大手代理店ですら、地域の中で見たら一部でしかありません。隣の同じ看板のショップは自分の商売敵です。

更に、最小単位の店舗運営している会社も多数存在します。つまり1店舗だけ運営している会社も多数存在します。

ある会社の方針は「利益第一」となりの店舗は「顧客満足度第一」みたいな方向性がまるで違うことがほとんどです。

また、通信事業者との代理店契約も基本は同じでも、部分部分で違うことがよくあります。A社には「このサービス販売したら+〇〇円追加します」隣のB社には「何もなし」こんなことが日常です。

その為に、近隣店舗で勧めるサービスが全く違う事が起こりえます。

さらに、代理店は通信事業者とは別の会社と契約して事業者のサービスではない商品を使って利益を出そうとします。

結果、基本的な部分は同じに見えても、店舗(会社)ごとに扱いサービスの種類や商品・サービスが違うことがよくあります。

そして、それを看板または目に見えるところに一切出しません。顧客にも基本的に開示しません。ホームページには記載されていますが、店舗に行っただけでは運営会社まではわかりません。

店舗に行った際には、運営会社の違いが対応の違いに直結するので注意が必要です。

通信事業者と代理店の関係

こんなにも違う代理店営業ですが、通信事業者はそれでも自社の方向性と同じ方向を見るように、目に見える形で支援をします。

具体的には、各種サービスを点数化し、ある一定値を下回ったら「契約解除するぞ」という強烈なプレッシャーを掛けてきます。

運営会社は規模にもよりますが、契約解除=倒産です。そのために、必死に点数を取りにいきます。

この点数に情け容赦はありません。各店の得意不得意とか関係ありません。相談もありません。

こうやって通信事業者は看板を貸し出す代わりに自社の方向性に沿わない会社は排除していきます。

この点数化に留まらず、特定のサービスには追加インセンティブ(お金)を出すことでさらに強力に販売活動を支援します。

各店舗(会社)はこんな背景から、店頭でたくさんのサービスを勧めてきます。

裏②携帯ショップ運営の闇

握手するビジネスマン

栄枯盛衰

厳しい経営環境に置かれる販売代理店各社は過去に何度も合従連衡を繰り返しています。

以下は最近の大型案件の事例です。

ノジマによるコネクシオの買収(2023年) 

家電量販店大手のノジマが、伊藤忠商事系の大手代理店「コネクシオ」を約850億円で買収しました。

ベインキャピタルによるティーガイアの買収(2024年)

業界最大手のティーガイアが、米投資ファンドのベインキャピタルによる株式公開買い付け(TOB)を受けました。

ラネットによるTDモバイルの事業継承(2023年)

ビックカメラグループの「ラネット」が、豊田通商とデンソーの合弁会社である「TDモバイル」の携帯電話販売事業を譲り受けました。

ティーガイアによる富士通パーソナルズの買収(2020年) 

ティーガイアが富士通パーソナルズの携帯電話販売事業を承継する新会社を子会社化しました。

兼松コミュニケーションズによる中小代理店の買収

兼松コミュニケーションズが、地域密着型の販売代理店などを相次いで傘下に収めています。

今後もさらに事業再編が加速していくことが予想されます。身近なショップもいつのまにか運営会社が変わっているかもしれません。

競争と協調の果てに

何度も合従連衡を繰り返してはいますが、中には廃業に近い形で事業撤退を余儀なくされるケースも少なくありません。

特にオンライン化が進み、リアルショップの必要性も薄れてくる時代背景もあって、そもそも地域によっては市場規模に対して、多すぎる地域もあります。

どんどんと大型運営代理店に集約されていっているのが現在の実情です。

地域のサービスという観点から全くなくなることは想定しにくいのですが、お近くのショップが無くなるという事は十分にありえます。

また、顧客争奪戦も加速しており、通信事業者通しの奪い合いも苛烈さを増してきています。

裏③営業成績という名の元に行われる闇

カウンターで接客する女性スタッフ

営業成績を上げるために

各店舗は点数を上げるために店頭で成果を上げるためにセールスを行います。

多くの場合には、ショップスタッフには、目標が設定されて、その成果によって評価や褒章が変わる仕組みが導入されていることが多いです。

営業成績を上げるための習熟やセールストークなどを日々練習しています。

反面、もし成果が伴わない場合やセールトークが苦手な人は難しく感じると思います。

看板の特性から一見優良企業に就職したつもりが全然違って、退職する人が後を絶ちません。

制服を着て、キラキラしたイメージからはかけ離れた営業という名の試練があります。

ショップにまつわるエトセトラ

ショップに勤めていると、支援金やメーカーからの支援など思わぬ恩恵を受けることがあります。

習熟支援などで発売間もないスマホが店員価格で買えることもありますし、通信事業者が提供している各種サービスを無料で使えることもあります。

また、成績優秀者にはポイントの付与や報奨金が送られることもあります。

高い成果を出せるスタッフには大きな恩恵があります。

余談ですが、店舗内ではけっこう恋愛なども多くあります。やや閉鎖した環境も相まって、色恋沙汰も頻繁に耳にします。

裏④ショップスタッフの本音という闇

女性を慰める男性

店員とお客様の関係について

ショップスタッフには暗黙で販売代理店であることを堂々と言わないような掟があります。

顧客からはそうは見えないので、通信事業者の関係者の前提で話しますが、それもあってよく食い違いが生じます。

店員から見たら、通信事業者は顧客であり、取引先なのですが、来店客から見たら当事者なため、他人事のような話し方に聞こえてしまうことがよくあります。

また、カスハラ法案も出たことによりやや沈静化してきていますが、いわゆるクレームという事は頻繁に発生します。

スマホが得体のしれない物である、比較的高齢者からは誰に向けたものかわからないような事が頻繁にあります。

Googleへの不満とか、Lineへの不満とか、わかる人にはわかるのですが、スマホで使えるサービス=ショップ対応という認識でクレームを言われると店員は自分(自社)に言われていると思っていないなんてことがよくあります。

表に出せない顔

とはいえ、表だって「それ関係ないんで」とは言えません。看板出てるので受けざるをえないので話しは聞きます。

また、代理店(会社)が全く違うことも表だって言えません。たまに隣の店舗の文句言われたりするのですが、まったく他人事で聞いています。

堂々と言えばいいと思うこともあるのですが、あんまり他人事として受け止めると、本部からお叱りが入ることもあります。

店員も一人の顧客に過ぎないので、すごく同感していることも多くあります。「あのサービスひどくないか?」「電波全然入らないんだけど」と言われて「そうですよねー」と心の中では思っています。

でも、言えません。後で怒られてしまいます。

言えない秘密

店員が店頭でカチャカチャいじっているあの機械気になりませんか?

「顧客情報管理端末」と言われるPCなのですが、あそこに何が表示されているかは絶対に言ってはならない秘密になっています。

携帯電話の契約時の審査も同様です。絶対に言ってはいけない内容はたくさんあります。

店員は全員守秘義務契約を個別に契約を交わしており、誓約書を提出しています。それがないと働く事ができません。

一度でも違反があれば未来永劫働く事ができなくなりますし、場合によっては処罰の対象になります。

個人情報保護法案や電気通信事業法や不正利用防止法など関連法案は数多くあり、それに抵触しないように最大限の注意が払われます。

言えない事だらけの中で、共通理解のしにくい構造もあって誤解や不満が生じやすくなってしまっています。

裏⑤通信業界の闇

時代の変化流れる雲

回線奪い合いの歴史

携帯電話契約数の推移 単位:千
年度ドコモauソフトバンク楽天
201674,87948,54039,310
202082,63260,39845,621
202592,21572,05556,59210,010

大手4社で回線保有数の推移が上表です。

全体が増えている事もあるのですが、3社の幅が徐々に縮まってきています。

特に第4の事業者として新規参集した楽天モバイルがどんどんと契約数を増やしてきています。

今後この距離は一層縮まり、いつか序列が変わる日が来るかもしれません。

ライフラインとしての役割

他方、通信事業者には災害時などの重要な連絡手段としての責務も負っています。

緊急時の対応に差が出ないように、国側も必要な働きかけを行っています。

今は全産業においてもスマホによる情報通信やサービスは欠かせないものとなってきていますので、過度な値引きによる顧客争奪戦や不正利用に対しての各が種法令がより厳くなっています。

まとめ

森林で深呼吸する女性

携帯業界の実態について紹介しました。

いつも思っていたのですが、何かしらのアナウンスが不足しているように感じていました。

スマホが安いとか、新サービスがどうとかいろいろ報道するのですが、なぜか自分の業界の話はご法度が多いように思います。

聞けば教えてくれる事も多いのですが、聞いても答えてもらえないような実態なような気がします。

少しでも皆様にとってショップを知る機会になればと思います。

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この記事を書いた人

こんにちは!
こらーじょと申します。
私は、某大手通信キャリアの携帯ショップで約10年に渡って、ショップ店長をしておりました。
業界歴20年の中で培ってきた知識と経験を活かして、読んでいただく皆様に少しでも価値のある情報を提供していきたいと思っております!

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